km8492(こま)の部屋

World of Warshipsに関する個人ノウハウを垂れ流すブログです

生存と目標の両立 チーム戦における外周CAの立ち回り

まえがき

最近のクラン戦や世界大会であるKing of the Sea(以下Kots)では艦艇制限が複雑化し、方面的に艦のスペックや数的有利が取れても、即座に対面を撃沈して勝敗が決まるレベルまで押し切るといった行動が不可能になっています。それに伴い外周CAにおいても、より堅実的な戦いが求められるようになりました。

基本的にはこちらがチームの目標を達成した上で一方的に沈まないといった一言に尽きるのですが、安全距離とフォーカス、及びヘイト管理を両立するといった、難度の高い動きであるため、その根幹とも言える生存面に関して大まかな判断基準ここ共有したいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

 

またチーム戦においての外周CAとしての大まかな流れはこちらの記事のフローチャートをお読み下さい。

km8492.hatenablog.com

同記事の文中にある『沈んでいるケースが多い場合、隠蔽に入る判断が遅れている・距離を詰め過ぎている等の技量面での原因と、敵目標が変化していることが判明しているのに撤退が遅れている等の戦略上の判断不足(あるいは判断そのものが理解できていない)が原因と考えられます。』をより紐解き、発展させた内容が本記事のテーマとなります。

基本的な安全距離

沈まないための一番の解決策は隠蔽に入ることと、再度スポットの可能性がある場合には敵の振り切るために引き撃ちにする事です。

そのためには最短の敵に対して自艦の火災発生時のペナルティを含めた隠蔽に、旋回半径分の前進距離を追加した距離を保てば、任意に隠蔽状態及び転舵が可能になるため生存性の確保が可能です。

上記の状態を確保した上で、同方面の味方の編成を考慮し進軍、撤退、膠着維持を行います。

最短の敵艦の距離が分からない場合は味方からの情報及び、スキル(と可能であればMOD)を利用します。下記に項目ごとに箇条書きにしますが互いに相関性のあるものなので並行処理が基本となります。

ミニマップ情報

敵の数、進軍方向、失探位置、失探してからの時間等の総合的な情報から敵の位置を割り出します。隠蔽や速度等の個人としての座学知識と報告等のチームとしての技量が問われます。VCの混線問題や即座に全員で情報統制することは難しいのでMODを用いる、余裕のある時に声出しする等の対応が望まれます。

繰り返しになりますが、基本的にWoWSは戦力に応じた押し引きの駆け引きが行われます。数の有利不利、敵の展開に対して安全な距離を取ることが基本となります。

例として、こちらが撤退する敵を沈めるために隠蔽を割に行くケースもあります。しかしながら敵陣に踏み込めば踏み込むほど、敵の戦艦等にクロス射撃をされるリスクが高くなります。無理をし過ぎた場合、敵チームから逆にフォーカス対象に選定させ、対面のCAが後進や反転してくる、DDを差し向けられる等の対応をして来ます。

味方の戦況、敵の流動性を意識し、ミニマップから展開を予想(とチームとして共有する、される)することでダメージ交換が赤字になる前に侵攻を軟化し、膠着に持ち込む距離感が求められます

無線方向探知(RPF)

最短距離が分かる重要スキルです。複数人で所持するとさらに正確性が上がります。基本的に敵と互いに外周で攻防しているはずなので、大幅に変化した場合何らかの艦が接近中であることが分かります。概ねこちらの方面が隻数不利、あるいは同数となり敵のフォーカス対象になった場合に起こる現象なので退避可能な姿勢することが無難です。

危険察知

こちらを狙っている艦が分かる重要スキルです。とはいえ相手も情報を秘匿するため必要になるまでロックを行わない等の対策を行うため過信は禁物です。その性質上、DD等の接近を探知するよりは敵のフォーカスの頻度を把握するために使用します。仮に現在任意で隠蔽に入れる距離感でもダメージ交換において不利になる場合、今後敵DD等のリポジにより隠蔽に入れなくなった際にそのまま撃破されるリスクがあるため、膠着状態などの積極的な進軍が望まれない状況においては、撤退が可能である距離感か姿勢にしておく必要があります。

実戦的な安全距離

基本的な安全距離はあくまで自身の生存が確約される値です。実際には戦闘の流れで発生するチームの目標を達成するために、ヘルスを使って安全距離を出入りします。下記によくある例を挙げますが共通する事柄として、撤退ルートを確保する、修理班か工作班のどちらかが使用可能である状態において行うことが推奨されます。またカテゴリ分けしてありますが同時進行する場合もあるので注意。

対面を無視して中央の目標をフォーカスする

冒頭と重複しますが、最近のチーム戦は艦艇制限が複雑化し、方面的に艦のスペックや数的有利が取れても、即座に対面を撃沈して勝敗が決まるレベルまで押し切るといった行動が不可能になっています。そのためチーム全体の動きとして、中央側に展開する味方と共同し、対面の外周艦を放置し別の目的、とりわけ外周から見て内側の敵をフォーカスする展開が多発します。

一次的に外周対面とのダメージ交換を中断することで、見かけ上の撃ち合いが不利になったとしてもチーム全体で有利なら問題が無いので、優先すべきはチーム全体の方針となります。当然フォーカスされた敵は後退するため、ヘルスを使って射線を維持する必要があります。その際に自艦の隠蔽圏をどの程度対面の敵艦に侵犯させるかが重要になります。

ある程度フォーカスを受けても最終的に後進や転舵で帰れれば問題無い(いわゆる0-1交換)ので、そのためのヘルスと敵の戦力、消耗品があるかどうかの確認は砲戦を始める前に必須です。修理班は安全圏までの退避の時間稼ぎ、工作班は隠蔽を確実なものとするために使用します。特に工作班は一時的に隠蔽に入れたとしても、HEなどが着弾し火災によるペナルティを受け沈むといった事を防ぐために乱用は控えましょう。

味方へのフォーカスを反らす

味方の主目的が別方面にあり、こちらに求めることが生存のみの場合、敵の影響力を妨害することが目標となります。仮にダメージ交換で負けるとしても、ただ下がるだけでは敵に支配エリアを広げられ、主目的を実施している別の味方へ介入されます(上記項目を敵もやってくるということです)。そのためこちらもダメージ交換が不利であっても沈まない程度に遅延行為を行う必要があります。

当然隠蔽圏内で最後まで撃ち合えば沈むので島や味方を利用します。

島を使う運用はシンプルであり、引き撃ちする過程で島を使い射線を切ります。一部のMAPは外周から逃げる際はここに逃げこめと言わんばかりの島があるので、選択肢の一つとして把握しておきましょう。

味方を使う方法は、内周からクロスを組んでもらうことで相手との将来的なダメージ交換を勝てるようにすることで、相手の侵攻を軟化あるいは中断させます。味方がこちらへ援護可能か、また援護に優先度を割くべきかどうかは要コミュニケーションです。

同軸上の味方艦を撤退させる

複数の艦艇で方面を担当する場合、相手も基本的にフォーカスを一隻に定めます。そのためヘルスに差が生まれる事が多発します。その場合こちらが相手のスポッターに接近し後退させることで味方を生存させます。必然的に自艦へとフォーカスが移りますが、ダメージ交換を継続し撃破する、こちらも頃合いを見て撤退する等の選択肢で対処します。

味方との連携やタクティクスそのものの影響を受ける動きでもあるので要練習です。

発展 排気煙幕よる選択肢

通常艦艇は今までの動きを再現する際に修理班や工作班で支払うヘルスや隠蔽状況を駆け引きしますが、排気煙幕を持つ艦艇は上記に加えて手札が一つ多い分さらに有効な駆け引きが可能です。

煙幕の中に射撃されるリスクはあるものの、システム的には隠蔽状態で転舵が可能であることから、素早く離脱が可能であったり、純粋な煙幕効果時間で隠蔽・遮蔽位置までの移動距離を稼ぐことが可能です。

対面の艦に隠蔽を割られているにもかかわらず、強引に目標を達成して撤退するとったプレイがより簡単に可能になり、外周戦において強力な戦力となるでしょう。欠点として排気煙幕を所持している艦は癖があるので、タクティクスによっては使用候補から外されるという点があります。

事例

今までの記載した立ち回りが含まれている事例です。今までの分は汎用的な解説であるため、事例で具体的なイメージを持つと理解しやすいと思います。試合はKotsのある一戦です。

まずは前提となる状況判断です。この試合展開では味方がAB、敵がBCに戦力を割いています。こちらがABを取得出来ているため、敵はBを占領した上でこちらの艦艇を撃破し、ポイントを逆転する必要があります。

そのため、ここでチーム全体での目標は敵のBへの侵攻の阻止、あるいは1つのCAPポイント(ここではA)で勝てるようになるまでBを維持することです。また敵に時間的有余を与えることになるため、絶対に沈んではいけません。

 

上記の状況を味方全員で共有しているため、味方の大多数はBに射線及び視界確保を集中しています。ここの状況での外周CAの目標は、生存を大前提に単騎で敵外周の侵攻を抑えつつ、Bの敵を迎撃することです。

画像ではコンカラーの浸透を防ぎつつBへの射線を確保しています。またフォーカスが集中した時の保険として、島付近に留まっています。ここに位置することで、敵は勝つための主目標であるBへアプローチしようとすると、自艦含めてあらゆる方向の艦にフォーカスされるというリスクを背負います(実際に相手のマイノーターは保身も兼ねてBから見て引きの消極的状態になっています)。敵はそのリスクを軽減するため自艦へ対処する必要があり、コンカラーが対応に追われています。

敵の主戦場であるBにBBの影響力を割かせない&自艦を撃破するまでBへアプローチするリスクを強要しており、純粋なダメージ交換では赤字かもしれませんが、影響力を考えると黒字なのです。

 

※また排気煙幕が使用できるためこの位置まで踏み込んでいます(使用艦艇の硬さもありますが)。通常の艦艇では2~3kmほど後ろに控えることになるでしょう。

 

ここで問題なのは、どの程度までこの位置に留まるかという点になります。判断基準としては、退避の際に支払うヘルスと再度交戦の可能性が挙げられます。

前者はチームの方針として生存が前提なので、コンカラーの斉射を数回受け止められるヘルスであることが必須です。

後者は味方がなんらかの理由で沈んだ場合に、ポイントあるいは時間を確保するために、再度敵をフォーカスする必要があるかを判断します。この戦況では味方の射線がBに集中している点、こちらが関与できる艦はコンカラーですが、修理班を残しており、射線を通せる味方も中央への射線を兼任している2隻なため、現実的なフォーカス先にはなりえません。そのため、退避後に自身が大局関与できる可能性は低いことが判断出来ます。つまりヘルスが1以上残っていれば良いことになります。

上記の判断から残りヘルス半分程度で退避することを決定しました。戦況的にも1つのCAPが維持出来れば勝利であるため、味方の沈没リスクのある艦は後退を始めています。

排気煙幕を使用して転舵した後に予め把握しておいた島にヘルスを使って逃げ込みます。

コンカラーには撃たれますが、予定していた通りに島で射線を切ることで無事生存出来たので、自身に与えられた役割を完了し勝利となります。結果的に2:30程度、敵BBの火力が中央へ向かうことを阻止しました。

あとがき

ここまで生存面に関して大まかな判断基準を述べてきましたが、あくまで事前知識として捉え、実査にプレイしながら雰囲気を掴むことが一番の近道です。

実際にプレイするTierやレギュレーション、相手実力等で敵の侵攻速度も変化してくるため、「こういった展開ではだいたいこの時間で攻めて来るんだな」「この艦の火力は○○くらいなので、○○程度遅延ができるな」等を学びながら自身の影響力を強化していきましょう。

この記事を通して少しでも外周攻防のコツが伝わり、チーム戦へのモチベになれば幸いです。

 

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